劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」のレビュー・感想・評価
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映画館で観ないと伝わらない
色々といちゃもん付けて低評価してるレビューを見ると、おかしな人のものが多いので、あなたがおかしな人でなければおすすめできる映画だと思います。
あと、出来ればプレミアムシアター、TCXなど大きなスクリーンと上質な音響が揃ったスクリーンでどうぞ。
事前知識なしでも面白い!
ウマ娘が競走馬をモチーフにしていることくらいしか知らない状態で観ましたが、面白さを十分に感じられました。
ウマ娘たちがレースで疾走する描写が見事で、レースとレースの合間のシーンの描写もきれいでした。全体をとおして観ていて飽きませんし、レースシーンの迫力は圧巻です。
事前知識なしで、これほど楽しめるのは意外でしたが、素直にいい映画が観れて良かったです!
熱血スポ根好きにはたまらない
合う合わないはあれど、間違いなく傑作だったと確信している。
まず演出の爽快感が半端じゃない。レースシーンは言葉を選ばないのならただ凄いスピードで走っているなのだが、まるでバトルシーンの必殺技のような熱い演出をこれでもかと見せつけられ、終始最高の気分だった。
もちろんストーリーも面白く、緩急がハッキリした超熱い話で、自分はウマ娘ではないはずなのに走りたくてうずうずさせられた。
スポ根やバトル、熱血な話が好きな人に是非おすすめしたい。
史実とアニメの融合した良作
ウマ娘と呼ばれるサラブレッドの魂を宿した少女たちによるレースが題材の作品のアニメ化。
今回の劇場版では2000年~2002年にかけて活躍したジャングルポケットを中心とした物語が描かれる。
ウマ娘におけるジャングルポケットの立ち位置はトレセン学園と呼ばれる優れたウマ娘の育成学校からあぶれたはみ出し者たちのリーダーと言った立ち位置で、仲間からは慕われるもののトレセン学園からは距離を置き生徒たちが走るお上品なレースをどこか馬鹿にしていた所があったが、あるウマ娘のレースを見たことでその考えが変わっていく。
ジャングルポケットの先輩であるフジキセキ(ジャングルポケットと馬主、調教師、担当厩務員が同じ)やライバルとなるアグネスタキオンなど周囲のウマ娘との関わり合いの中で時に燃え上がり、時に打ちひしがれる。そんな熱いドラマが見どころです。
そして、美少女然としたキャラクターからは想像できないようなレースの迫力ある演出。
ウマ娘を知っている方はもちろん、知らない方でも一見の価値はあるのではないでしょうか。
競走馬たちの熱く熾烈な闘いをよく映像化してあるなと思います。
やっぱり生理的に無理だった
2024年映画館鑑賞45作品目
6月1日(土)イオンシネマ北上
ファーストデイ1100円
そもそも競馬に全く興味がない
オタクがいかにも好みそうな美少女アニメは苦手だしオタクに媚を売るような声を出す売春婦紛いの若手女性声優も嫌い
『ガールズ&パンツァー』みたいにはいかなかった
あれは戦車の美少女化じゃないもんな
戦車はあくまで戦車で戦車を操縦する部活に夢中になる女の子たちの話だもんな
ウマ娘が嫌いな人たちがネットで意見してるようだけど概ね同感する
それでも映画館は大盛況
いくら土曜日とはいえ20時45分の回なのに会場に少なくとも60人くらいはいたかな
興行的には大成功を収めるだろう
映画.com的に傑作かどうかは別として
自分にとっては苦痛苦痛の108分だった
具合が悪くなった
初めて本気で途中退席したくなった作品だった
お金を払い苦行をしたようなものだ
なんかとても疲れた
それにしてもウマ娘ってなに?
人間でもない?馬でもない?ウォーズマン?
アマゾンの獣人みたいなものにしてはかなり人間寄りだしリスアマゾンの変身前に近い
馬なら素敵なお召し物なんて着てないで全裸で走ればいいのに
イギリスとかでそういうバカなマラソン大会だか自転車大会もあるらしいし
コンプライアンス的に無理?
それなら実在のサラブレッドを美少女化させて走らせるのもコンプライアンス的にどうなのかしら
ウマ娘というコンテンツを見直しました。
ウマ娘という物が好きになれなかった。
生粋の競馬ファンである自分にとっては、名馬の名前はそのレースシーンと感動を共有するものだから。
だから、今回見るのをかなり躊躇したけど見てみる事にした。
結論は、見てよかった。
白熱のレースシーン、纏まった良いストーリー。
まじで感動してしまった。
不覚です。
ウマ娘ファンだけでなく、普通にアニメ映画としてみても良い出来だったと思う。
映画館で見るレースシーンは必見です。
お勧めします。
高クオリティでキャラも良い。入りにくい点はある
良い点!アニメ映画としてはピカイチの高クオリティで、キャラも良かったし、ストーリーもドラマ性もほどよく競馬物?スポーツ物?としてライバル関係とか葛藤とかあり 迫力あるレースシーンも文句なしでした、キャラもカッコイイかわいいデザインが良い。
悪い点! 少し入りにくいディープな感じはあり、少し重いかも、コレ単体で見ると 誰?ってなる点も、作風的に気楽には見にくいかな?
スポ根ものとして非常に魅力溢れている
物語は強いライバルがいてそいつに勝ちたい、でも勝てない、という特に特殊な話ではありません。
しかし、キャラクターの感情の見せ方やレース中の演出が素晴らしく惹き込まれました。
特に最後の主人公とライバルの会話と目のやり取りによって、動かされるライバルの心情が涙をさそいました。
「レースの勝敗はどうでもいい」というセリフに込められたテーマと、「瞳の先に映るもの」、そしてポッケの結晶について
まず映像作品として非常に見ごたえがありました。特に2つあげると
・光の使い方と「瞳の先に映るもの」の表現
今作とにかく瞳のアップが多く、それに対応した光の使い方が実に多種多様です
それによって表現されるのは瞳そのものではなく「瞳の先に映るもの」でした
ポッケを見守るフジキセキのキラキラ輝く瞳や、タキオンの引退を聞きディスプレイの真っ赤な色にそまるポッケの瞳、自分のいないレースを見つめるタキオンの瞳などなど・・
演出としては過剰なくらい瞳のアップがたくさんあったので印象深く残った人も多いんじゃないでしょうか
特にタキオンは多めだった気がします
・被写体を中央におさめない構図
他にも印象に残る描写としてあがるのは、とにかく被写体であるウマ娘たちを画面の中央におさめず、画面の端に映すようなカットが多かったこと
端に映すからこそ目で追ってしまう、小さいからこそ逆に際立って見える
画面の中央が足の裏だったり段ボールの山だったりするシーンまでありましたからね
この描写も過剰なほど使われていたので目を引きやすかったと思います
そしてストーリーの話ですが、レビューを見てると「オペラオーとのジャパンカップの描写が物足りない」という声を見かけました
が、個人的にはこれは意図したものかと考えています
これは「レースの勝敗はどうでもいい」というタキオンのセリフがそのまま今作のテーマにつながるためです
そのため後半は勝ち負けの描写をあえてあっさりしたものにしたのです
じゃあ勝敗の代わりにいったい何を描いたのかというと
『また走り始めること』
これこそが1番のテーマかと思います
今作ではフジ、タナベトレーナー、タキオンが引退、ジャングルポケットも精神的不調をかかえるシーンがあります
しかしこの4人はそれぞれがお互いに影響し合うことで、また走り始めるのです
(描写は薄いですが一応カフェもこれに該当します)
これだけ何度も「また走り始める」という演出にこだわっているのですから、オペラオーよりフジやタキオンの出番が多くなってしまうのも当然のこと
最後に伝えたかったのは勝敗ではないのです
もちろんできればもっとあれも描いて!これも掘り下げて!という気持ちはありますが、それは色んな都合上仕方ありません
ですがしっかりと伝えたいテーマは描かれていたと思います
追記)
ポッケの結晶の説明がない!伏線の放置だ!というレビューも見かけましたが
「だったらあの結晶はなんなんだろう?」とご自分で考えるべきかと思います
全部セリフで説明されないと何もわからないのでしょうか?自分なりの解釈というのはないのでしょうか?
私の解釈では、説明がない以上、あの結晶はなんらかのメタファーだと考え、それは最強になるというポッケの「夢」を表現してるのだと結論付けました
冒頭「トレセン学園に入って最強になる」と宣言し高く高く掲げられるシーン
トレーナー室に結晶を置き忘れ、フジに「傷がついてるね」と言われるシーン
フジとの併走でスタートの合図かのように、フジからポッケへと返されるシーン
(見間違いでなければ)タキオンの研究室にもこの結晶はかかげられていましたが、その結晶越しにポッケとタキオンの会話がすすんでいくシーン
他にもあったかもしれませんが、これらのシーンからあれは「夢」を暗喩してるのだと考えます
ここは説明がない以上それぞれの解釈にゆだねられてると思います
なんにせよ自分の思い通りの展開じゃなかったからといって「説明がない!描写が物足りない!」で終わらせる人には少々むずかしい映画だったのかもしれません
ウマ娘を知らない人でもめっちゃ面白い良作
自分は,アニメウマ娘のSeason1とSeason2、Season3、BNWの誓いは見ておらず,ROAD TO THE TOPの総集編映画だけ見た状態,ほぼ無知の状態で見ましたが,レース、ストーリー、ライブ全てとても面白くて、108分があっという間でした!
レースの緊迫感もあり、笑いあり、感動あり、最高でした!
ジャンルポケットの葛藤もしっかり描かれていて、最高でした!
全員が主人公の熱血スポ根作品
TOHOシネマズサクラマチにてレイトショーで観てきました(本日迄の入場者特典目当て。熊本では上映の無かったROAD TO THE TOPと本編迄のミッシングリンクを繋ぐ小説)。
実際の競走馬達をモデルにしているものの、登場するキャラクター全員の「レースに勝ちたい」という気迫が伝わって来て知らん間に泣いている自分がいた訳だが…
あと映画版の世界線にはゲッター線で満ち溢れているのか?(笑)
個人的に好きになったのはフジキセキ先輩と旧荒尾競馬での出走経験のあるダンツフレームでした。
当時を知る競馬関係者達も観に行った感想をSNSで発信していますが概ね好評の様です。
私自身もテンポイントが切っ掛けで競馬にハマった人なんですけどね。
キャラが薄い…
主人公格のジャングルポケットはテンプレな熱血キャラで新鮮味なし、ライバルであるアグネスタキオンは嫌味なサイコキャラになってしまっていて好きになれず、ダンツとカフェはロクに深掘りなし、まともに描写されて魅力的に見えたのはフジキセキくらいでした。
オペラオーやドトウもオマケみたいな扱い…
キャラに感情移入出来ない上に、ビジュアル面もイマイチ。ホラーや劇画みたいな妙ちきりんな演出を重ねられ、ウマ娘として何を楽しんでいいのか分からないまま終わってしまいました…
残念。
思ったより面白かった
ソシャゲの映画化ということであまり期待していませんでしたが想像の1.5倍くらい面白かったです。
良かった点
・わざと線を崩したりしていてレースシーンが結構迫力があった。
・話が素直で分かりやすかった。
賛否両論、イマイチな点
・展開が分かりやすいので意外性はない。
・キャラクターの個性を出すためかクセが強めだが時間的制約からあまり掘り下げられない。
・ダンスや海水浴などファンのためのシーンがたまにある。
・レースが戦略云々ではなく根性、気力的なもので勝敗が決まる。
気になる点もありますがライバルと対決→主人公の挫折→復活という王道ストーリー、熱いレースシーンだけで結構満足でした。
望外の傑作!「作画演出による心理描写」に全てを懸けるスタッフの心意気に胸が震える。
本当はあまり観るつもりがなかったのだが、20時からの映画に間に合わず、せっかくの水曜サービスデーなので何か観て帰ろうと、ウマ娘を選んだ次第。
率直にいって、想像以上の完成度でびっくり。
すげえ面白かった!!
テレビシリーズは1~3期とも視聴済み。アニメとしてはいずれも良い出来だったと思う(とくに一期)。
ただし競馬には1ミクロンも関心なし(調布に15年住んでいるのに府中競馬場にも行ったことがない)。ゲームもやったことがない。馬の名前も活躍した時代もまったくわからない。
要するに、美少女スポコンアニメとしては愉しんで観ているが、正史がどうだったかとか、各キャラへの思い入れとかはまったく無い、筋金入りの「ニワカ」のしがない感想です。
何が良かったかというと、とにかく「作画」と「演出」で全てを表現したいという姿勢が、全編を通じて貫かれていたこと。これに尽きる。
意地でも、台詞では説明しない。
心の声でああだこうだとしゃべらせない。
込み入ったストーリーやキャラ立てを用意しない。
ただ、ヒロインの姿を映す。動かす。それだけ。
そこに込められた視覚情報だけで、
心理描写を丹念に彫り込んでゆく。
監督には、「演出」で全てを語らせようとする覚悟がある。
表情の細やかな変化、瞳孔の開け閉め。
しぐさ(とくに指)、足の震え、口元のおののき。
立ち位置の演出、カメラアングルの演出。
横からか撮るか、前からか撮るか、後ろから撮るかで、場面の意味合いが劇的に変わる。
光と影、順光と逆光、空模様、ターフの重さ。
感情の変化と背景描写が常に密接にリンクしている。
そういった映画的なギミックと手管と情報を徹底的に練り込むことで、ヒロインのその時その時の感情を、「視覚的に」表現しようとする強固な意志が感じとれる。
おそらく、ジャングルポケット自身も、自分がどうして「ダービーに勝ったのに」いつしかダウナーな思考に絡めとられて、どんどんと追い詰められることになってしまったのかは、正直よくわかっていないはずだ。この精神的な不調は、言語化不能、論理化不能のあいまいな何かによって引き起こされているからだ。
結局、アグネスタキオンに直接対決で勝てなかった現実。
目の前でタキオンに仕掛けられたスパートによって、自分が気圧されて心が折れてしまったという自覚。自分が「負け犬(負けウマ)」になってしまったという屈服感。
勝ち逃げのように、自分には理解の出来ないロジックでタキオンが目の前から消えてしまった巨大な喪失感。
その後、人生で一度しか巡ってこないダービーでの勝利によってもたらされた、突き抜けた歓喜の感情と、しばらく続くふわふわとした昂揚感。トレーナーと先輩の期待に応えられた安堵と充足。そんな達成感のすきまに忍び寄って来る、曰く言い難い目標を見失ったような空虚な感覚。しだいに出過ぎたアドレナリンとドーパミンは、脳をめぐりめぐってダウナーな鬱感情を引き起こす。自分は結局タキオンには勝てていないではないか。どれだけ頑張っても、タキオンが残した戦慄の光芒を超克することはできないのではないか。次第に追い詰められていくなか、速く走る訓練よりも、自分に負荷をかけるようなウェイトとローラー牽きの特訓に明け暮れ、ひたすら身体を苛め抜くポッケ。それでも、マイナス思考の連鎖はとめどなく、調子はどんどん落ちてきて、レースでも勝てなくなってくる。
もがいても、もがいても、前に進めない、抑制のかかった重くて身動きのとれない感覚。
彼女を押しとどめ、リミッターをかけているのは、実は彼女自身の心に他ならない。
一流のアスリートたちは誰しも、常に「調子」と「メンタル」という、自分の意志だけではコントロール出来ない変動パラメータに振り回されている。
努力したからといって、すべてがうまくいくわけではないし、勝ったからといって、調子が持続するわけでもない。プロとアマが対決すれば九分九厘プロが勝つくらいの力量差はあるけれど、プロ対プロの戦いでは、常にそこの数パーセントの「調子」と「メンタル」で、勝ち負けが大きく左右される。
野球のピッチャーにしても、140キロの球をだいたい狙ったところに投げることは「毎回出来る」が、それ以上の細かなコントロールや球威は「その日に投げてみないとわからない」。そのくらいぎりぎりのところで戦っている。
ウマ娘も、「訓練」や「戦略」だけで勝敗が決まっているわけでない。
とにかく難しいのは、「勝った後のモチベーションの持続」と、「負けた時に身体に染みついた負け犬感覚の払拭」であり、勝てる状態にまでメンタルを持っていくそのイメージの醸成方法であり、メンタルの良い状態を身体の神経と筋肉に伝えて高い能力を発揮させるためのメカニズムの整備である。
今回のウマ娘は、そういったアスリートの繊細であいまいな心の揺れと、心と身体の関係性、直結して左右される調子の上がり下がりを、とにかく丹念に追いかけて、映像的に実体化させようとしている。そこの粘っこいアプローチが実に良い。
この方法論は、「見せ方」に違いはあるにせよ、京アニ出身者、とりわけ山田尚子監督の演出方針にとても近しいところがあって、個人的には大変好ましく感じる。
キャラクターの一挙手一投足、1ショット1ショットのアングル設定、各シーンごとのレイアウトに何らかの「意味」をもたせようとするコンテワークこそが、僕はアニメの醍醐味だと思うし、そのあたりをいろいろと考えながら観るのがたまらなく愉しい。
アニメは実写と違って「描き込まれているものは、すべてわざと描き込まれている」以上、惰性やお約束ではなく「意図」をもって本気で描き込めば、実は実写以上の「演出」を仕掛けることが可能だ。
二人の並ばせ方、動きのシンクロ度合い、目線の交錯ぶり。これだけの作画演出で、アニメは100の心情が描写できる。今回のウマ娘は、とにかく日常描写(特にポッケを曇らせる描写)において、アニメならではの表現方法を必死で模索しているのがしっかり伝わってきた。
だから僕にとっては、とても愉しいアニメ体験だった。
そういうわけだ。
― ― ―
「ウマ娘」コンテンツの最初の「映画化」として、作画や演出の方面では本当によく頑張っていたと思う一方で、この手の「黒目部分が小さめで瞳孔が縦に開いている」タイプのアマゾネス系の外観&口調のヒロインを主役にもってきたのは、ずいぶんと冒険だった気もする(少なくとも通常のアニメやゲームだと、サブキャラにはいても主役を張ることは絶対にないタイプ)。
敵役のタキオンも、目がいっちゃってる完全な厨二キャラのサイコ系で、ぜんぜん可愛くないし。で、ふたりともいっちゃった顔で、妄言を吐いたり叫んだりし合ってて、ずっとガチャガチャやり合っているので、まあまあ絵柄が汚い(笑)。狂暴系クレイジーサイコ●ズ同人みたいな……。
萌えアニメのWヒロインとしては、かなりとっつきの悪いキャラだったのでは?
なんか、1期も2期も3期も特別編もやって、可愛い系きれい系はやり尽くしたからじゃあ今度はワイルド系でってことなのだろうが、一本のアニメ映画としては、どうもW主演させるにはクセが強すぎるコンビである気はしないでもない。
話の組み立てとしても、完全にジャングルポケットVs.アグネスタキオンという図式が全編にわたって徹底されているがゆえに、他のウマ娘が添え物のような扱いになっている感は否めない。
ダンツフレームは、異形の主演二人が毒気をまき散らすなかで、「オーソドックスなウマ娘」像を差しはさむ一服の清涼剤のような役割を果たしていて良いと思うが、マンハッタンカフェとテイエムオペラオーに関しては、若干扱いを持て余している感じがある。
結局、最も意識し合っているふたりは、前半で交錯するだけ。
後半のジャングルポケットはずっと、マンハッタンカフェと走った菊花賞も、オペラオーと走ったジャパンカップも、実際のところは「タキオンの幻影」と戦い続けている。
たった一度目にした「タキオンの光芒」だけを追いかけ続けている。
彼女が意識しているのは、ずっとタキオンだけなのだ。
そこはわかって観ているつもりではあるのだが、やはり「なんで最強を目指しているはずのジャングルポケットが、現役最強で最多記録を更新している最大の敵テイエムオペラオーに対して、超どうでもよさそうな塩対応なのだろう?」というのは、素朴な疑問として残ってしまう。
「刃を交えはしたがそのまま眼前から消えた幻のライバル」
「戦えないがゆえにどんどん肥大していくライバルの幻影」
「最大の敵は影におびえてセーブをかけてしまう自身の心」
というマニアックな設定のせいで、最初に見せ場が来たあとは、ずっと鬱々とした展開が続き、残る二度のレースでも他のライバルキャラが目立たない。
このへんは、痛し痒しといったところか。
あと、個人的に残念だったのがライブの演出。
全体にヒキのアングルで、あまり熱がこもっていない。
せっかくいくらでもグルグル視点は動かせるんだから、
もっとヨセで、アップで、ガンガン煽っていこうよ。
どうしても前例としてトウカイテイオーとナイスネイチャの神ライブがあるので、今回の醒めた演出は若干拍子抜けだった。
シリアスな内容に合わせて、途中にもライブは差しはさめず(あれだけギスギスさせると、戦ったあとのライブはたしかに入れづらい)、最後の最後だけ入れてはみたが演出は出来るだけ抑えたってことなんだろうけど……せっかくの映画版なのにライブにリソース全振りで盛り上げないでどうする??ってつい思っちゃうな。
とはいえ、総体で見ると充分に愉しめる素晴らしい映画でした。
改めてレビューコメントをいくつか遡って見ると、褒めるにせよ叩くにせよ、いつになく暑苦しい空気感で、そのくらい濃ゆいファンがしっかり付いているコンテンツなんだなあ、と(笑)。
叩くレビューにしても、それだけ「ウマ娘」に対して「理想」があって「期待」があることの裏返しなわけで、どこまでも真摯で、はらわたから声が出ていてほほえましい。
こんなにガチのファンがいるのなら、当分コンテンツは安泰なんだろうな。
以下、備忘録。
●フジキセキの勝負コスが変態紳士すぎる。
●緒方賢一はさすがにちょっと老け込んできたな……。
●タキオンがほとんどウソしかしゃべってないってのはミソだよね。
●パンフで監督が「ジャングルポケットは矢吹丈でタキオンは力石徹」みたいなこといってて笑う。ジャングルポケットのキャラ付けは江戸前で、下町のヤンキーらしい(笑)。
●ジャングルポケットがレース中やレース後に「吠える」のって、史実どおりなんだな。こういう正史の活かし方って、「ウマ娘」のコンテンツってホントうまい。
●タキオンとフジキセキの復帰エピは、個人的には別にやらなくてもよかったかなと。
●レース演出が期を重ねるごとに激しく過剰になってくのって、アニメーターの負けん気ってのもあるんだろうなあ。「誰だれの描いたアレには負けたくない」みたいな。
●作画スタッフに、昔懐かしい吉成鋼や恩田尚之の名前が。
●やっぱり、テレビやノーパソで観るのと違って、映画館の大スクリーン(しかもシネスコ。シネスコですよ!皆さん!!)で観るウマ娘は、迫力が違う。マジで全然違う。
横長の画面で、巨大なウマ娘たちがコンマ一秒を競い合う様は圧巻。
ぜひ皆様も映画館でお楽しみください。
おもしろい
ウマ娘はアプリを少しとアニメは全部見てます。
その目線にはなりますがそれまでのシリーズで1番の出来でした。
アニメ3期がアレだったので不安でしたが、ウマ娘に求めていたものを全部提供してくれてとても良かったです。
TVシリーズにあった頻繁に入るギャグ描写が苦手だったのですが、この作品は通してほぼシリアスだったのでそこも◎。
(解説オタクの二人組だけは好きですが…笑)
個人的には☆5ですが、キャラクターをある程度知っている前提になるのでそこだけ少しマイナスでしょうか。
ウマ娘ファンなら心配はいらない出来です。ですがシリーズ初見の連れも楽しめていたので、設定やシナリオをあまり深く考えなければ楽しめる王道の内容だったのではないでしょうか?
ファン向け作品としては満点。
「ウマ娘とは?」と考えずに見れる作品
まず前提としてウマ娘プリティーダービーのアプリゲームをプレイしているトレーナー(プレイヤーの総称)ですが、「ウマ娘という作品を知らずとも見て欲しい!」という想いを伝えさせてください。
ウマ娘とは、ざっくり説明すると史実で活躍した競走馬を擬人化させて、ゲームでは育成し、実在する競馬レース(と同等と想定されるレース)に出走して勝利を目指していく作品です。
ただこの説明だとピンと来ない方もいると思いますし、知らない作品はハードルが高くて見ないという方もいると思います。
他の作品を上げてしまって恐縮ですが、バスケを知らずに大ヒットを遂げた「THE FIRST SLAM DUNK」を楽しめた方であれば、本作は十分楽しめると思います!
(他に良い例あればコメントで教えてください!)
ただこれだけは覚えておいてください、ウマ娘の世界でのレースは賭け要素はなく、観客側は応援が全てです。なのでその応援にお返しをするためにレースが終わるとライブ公演をするという文化があります。(ざっくり)
スポ根としてとても良い作品になっていて、且つ映像美や演出の凄さはもちろん、アニメーション作品としての迫力もすごくキャラクターの描写は特に表現の細さに目を引くものがあります。
多くの人に見てもらいたい一心で本編のネタバレしない程度に綴りましたが、文章書きなれていない人間なので拙い部分ありましてもお許しください。
最高の作品をありがとう!また見に行きます💪
良かったけど・・・
ウマ娘ファンなので、もちろん映画は楽しみにしていました。
良かったところは、レースで圧倒的な差を見せつけられ、絶望を味わうシーン。
すごく感情が伝わってくる表現は素晴らしかったと思います。
レース中のウマ娘たちの表情も良かったです。
良くなかったところは、物語が全体的に暗い、そして映像も暗い。
曇りのレースとかで映像が暗いのかなと思いましたが、ずっと暗かったです。
物語のまとまりも悪かったように感じられますし、
最後のライブも無理やり入れたような感じで正直いらなかった。
上映初めのフジキセキが走っているシーンは臨場感あふれていて疾走感もあり、
これから始まる劇場版への期待を膨らましてくれるもので、それだけに、残念でした。
あと微妙に芸人が出てきてましたけど不快でしかなかったです。
他の作品とかでもよくあるけど、ああいうの本当に要らない。
突き抜けた爽快感
アグネスタキオンが若干厨二病っぽいのは置いといて、内容だけ見ると流石ウマ娘。爽快感が凄いです。今回の主要キャラでダンツ一番好きなんですが、一瞬だけサイレンススズカが映ったシーンが自分的には一番好きでした。ジャングルポケットが葛藤しながらも自分の限界を超えようとする姿に少し泣けてしまって…
ウマ娘って内容がすぐ流れていくので、面白すぎて全くトイレに行けませんでした笑。それと、ジャングルポケットの一人称が「俺」なんで、田舎のおばあちゃんかよと心の中でツッコミを入れてました。今まで観たアニメ映画で最もワクワクします。観終わった後なのにドキドキが止まりません。控えめに言って最高です!!!!!
ライバルがいてこそ頑張れるんだ
実際の出来事と連動させて上手く作られていると思います。
アグネスタキオンの故障のニュースを聞いた時の落胆した思いや、フジキセキのチームがジャングルポケットでダービーを勝った日の事など、あの時代のことが懐かしく思い出されました。
ん、でも何か足りないぞ?
そうだ、クロフネだ!
ダービーまでならクロフネはあの2頭の紛れもないライバルだったと思うのですが、なんで出て無かったんだろう。
それと、実際の戦績を元にしていてレースの結果が分かっているので、もう少しストーリーに工夫があれば良かったかも知れないですね。
テレビでみたメジロマックイーンとトウカイテイオーの物語が余りに素晴らしかったので、そこは少し残念でした。でも映画ではそこまで深く描けないのも良くわかります。でも映画ならではのスピーディーな展開で、ストレスなく楽しめるいい作品でした
全75件中、1~20件目を表示