おまえの親になったるで

劇場公開日:

おまえの親になったるで

解説

犯罪被害者遺族でありながら犯罪者の更生支援を続ける男性が、加害者と被害者の間で揺れながらも更生を支え続ける10年間を追ったヒューマンドキュメンタリー。

出所後の受刑者の半分が仕事や居場所がなく、再び罪を犯しているという現実を前に、関西の中小企業7社が集まり、元受刑者に住まいや仕事を提供して再犯を防ぐ「日本財団職親プロジェクト」が立ち上がった。大切な妹を殺された過去を持つ、大阪の建設会社社長の草刈健太郎さんは、複雑な思いを抱えながら、このプロジェクトに参加した。当初は活動に気が進まなかった草刈さんだったが、少年院から出院したある青年との出会いをきっかけに、全国各地の刑務所、少年院に足しげく通い、多くの元受刑者らに手を差し伸べてきた。そんな活動もむなしく、再び犯罪に手を染めてしまう者たち。元受刑者たちの更生を支え続けた男性の10年の決意を通じて、社会の問題に迫っていく。

職親プロジェクト発足当時から再犯防止・更生支援に立ち上がった企業や人々に密着してきたテレビ大阪が製作したドキュメンタリーで、監督は記者としてテレビ大阪のニュース取材などにも携わってきた北岸良枝。

2024年製作/94分/G/日本
劇場公開日:2024年6月28日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

監督
北岸良枝
プロデューサー
山田龍也
花本憲一
ナレーター
竹房敦司
題字
獺口知成
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フォトギャラリー

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(C)テレビ大阪

映画レビュー

3.5稀に見る無茶苦茶な映画。トークショーで「さくら」を入れる等やめて欲しいです。

2024年3月4日
PCから投稿

今年89本目(合計1,181本目/今月(2024年3月度)7本目)。
(前の作品 「映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)」、次の作品「クオリア」)

 まず、作品自体は、加害者側、つまり罪をつぐなった側の社会復帰に焦点があたるドキュメンタリー映画であり、法務省等がバックについているようにかなり質の高い映画です。こうした事情もあるので、少年刑務所、一般の刑務所ほかの案内等についても包み隠さず描写があり(もちろん、当事者の人権に配慮されてモザイクがかかることはかかる)、この点では及第点に達するのだろうというところです。

 ただ、個人的には「トークショー、質疑応答を私物化するのはやめて欲しい」という点にかなりの減点幅がきます。ドキュメンタリー映画ではあるものの、どうしてもモザイク(ぼかし)などがかかる映画であり全体を一度見て理解しづらいこと、また、一般的な知識があればわからない部分や「ここは聞いておきたいかな」といった部分も、だらだらとしたトークショーと、質問タイムに関しても、予め「仕込んでおいた」(というのが良いかどうかわからないが、関係者が一般座席にいる)状態で、一般の視聴者が挙手すらできないという状況になっている点で「大概にして」という点に大半つきます。

 ある程度この点、「さくらでも入れているのか…」というのは「常識範囲内では」理解はしますが(それは常識的な範囲では許されるものです)、それによって一般観客(視聴者)の質問ができなかったり、時間切れで強制カットされる(「個別に聞きたい方は前方に来るかメール、ツイッターなどで」すらない)というのが「一般観客者軽視だなぁ」といったところです。

 ストーリー自体は確かに見やすい映画ではあるし、述べたいことは理解はしますが、一定の知識があると「わからない点」も確かにあり、これらを挙手する行為を阻害するのは(ただここでいう「阻害」というのは積極的行為ではなく、「さくら」を入れたことにより消極的に生じた問題)どうなのなのか…といったところです。

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 (減点1.5/上記のような事情で質問ができない)

 もちろん、一般常識の範囲で「さくら」を入れること自体は理解しますが、「質問タイムすらそれで切られる」なら何の質問タイムなのか不明ですし、常識範囲内で「挙手はできなかったが個別に聞きたい方は前方にどうぞ」(あるいは、QRコードやツイッターほかで聞いてもらえれば)がないので「さくら」がいる状況では一般の入場者にはどうしようもありません。

 この点、トークショー自体ではなく、ナナゲイさんの配慮不足もあるんじゃないか(せめて、QRコードなどで「質問は読み取ってここで送ってください」等ということもできるし、姉妹館のシアターセブンではそれもあった)というところです。
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 (減点なし/参考/保護司とこうした民間活動の協力点(官民融合の論点))

 これらは一般的にある程度こうした事情に通じていればある程度沸く疑問点ですが、映画内では説明がないし、ここでも挙手ができない仕様なので…。
かつ、このこと(保護司と民間の活動の接点)なんて、「そういう問題がある」ことはある程度アンテナをはっていればもちろん、行政書士の資格持ち程度であれば「ききたいこと」ではありますが、それらがバッサリとカット。

 そういった事情もあって、この映画はこうした「民間連携の論点」があるのかないのかもわからないのが厳しいところです(トークショーの進め方が下手すぎるという点に大半つきる)。

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