劇場公開日 2024年4月27日

正義の行方のレビュー・感想・評価

全12件を表示

2.5正義の行方というタイトルが深い

2024年6月1日
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鑑賞方法:映画館

どの立場で見るかを考えながら、様々な仮説を立てつつ観ると、実に興味深いというか
本事件に限らず、他の事件でも同じような問題を抱えることがあるのではないかと感じました。
と言いますのも、現在放映中の日曜劇場「アンチヒーロー」ではまさに冤罪の描写がされていますし、
実行犯が無罪になったりという描写もなされます。
つまり人間の判断に完璧なんてないんだなと思う次第です。

ただ、ラスト近くで西日本新聞の方もおっしゃっていましたが、
今の防犯カメラ数を駆使すると、事実を把握することはできたのでしょうね。

また、この事件を機に、同様の犯罪は起きていないとおっしゃっている元警察官がいましたが、
そういうことではなく、上述した通り、犯罪が起きにくい環境になってきているということが
防止あるいは犯人逮捕の精度が上がっていることに他ならないと私は思いました。

それにしても、後半に出てきた西日本新聞による検証記事は素晴らしいです。
経営者からの圧力にも屈せず、真実を報道たらしめんとした本物の記者たちに敬意を表します。

「己の立場」=「正義」ではないのだけれど、どうもそうなっていないか!?は
多くの人が客観的に自分を見つめることができれば、凡そ間違えた判断はしづらくなっていくものと
思いますが、今だに戦争をしている人類ですから、到底その域に達することはできないのでしょう。
自戒の念を込めて。

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ひでちゃぴん

3.5神様しか分からない

2024年5月29日
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警察官二人がインタビューで喋り過ぎ。かえって怪しいw
でも、最後の感想は同感なんだよね。久間さんが捕まってから同様の事件が付近で起きてないから犯人だと言うところ。通り魔的な犯行を行うには難しい。遺体やランドセルなどを遺棄するには土地勘も必要だし、余所者がいると割と目立つ土地とも思うと地元民かなと思う。

色々、色々思うところのあるドキュメントでした。

追記
ここもすごく気になった点。
ラストあたりで三叉路で女児二人が(久間さんと思しき人の)紺色のワゴン車に乗せられて連れ去られた風になっていたが、もしもそうなら久間さんと女児達は顔見知りなのか?女児一人なら容易く車に引き込めるが、二人ならどちらか片方もしくは二人共が顔見知りじゃないと無理があるでしょう。七歳ともなれば、ホイホイ知らない人の車に乗らないって。
力づくで乗せるにしても二人を乗せるのに3分以内は難しいよ。
供述に矛盾を感じるのよねぇ

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Oyster Boy

4.0少なくとも久間さんは、なんにもしゃべっていないんですよね。

2024年5月23日
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鑑賞方法:映画館

女児二人の殺人容疑で逮捕され、本人が殺害を否認したまま死刑を求刑、執行された事件。弁護側は、犯人とされた久間死刑囚の冤罪を晴らすべく、いまだ再審請求中という。事件の真実を追った地元紙の検証特集を含めて、硬質なドキュメンタリでありながら、どこかエンタメの要素さえ感じてしまう。けして面白がってるわけではないが、ときどき、ドラマか?と思うほどの偶然性や、展開の読めない焦燥感に駆られたりとか、とにかく釘付けになるのだ。
事件を担当した元捜査員や、地元紙の元記者や、死刑囚の妻や、弁護士や、それぞれの主張も、どうやら事実らしい。当人たちにとって感じたことを嘘偽りなくの発言しているように思える。だけど、それがまるで羅生門。誰かの主張に肩入れしてみても、次の誰かの主張でまたころっとそっちの味方になっていく。誰が「真実」を言っているのか?久間死刑囚は本当に二人を殺したのか?証拠資料は捏造なのか?目撃証言は人違いではないのか?ほかに真犯人がいたのではないか?結局久間は冤罪で事件に蓋をするべく死刑執行をはやめたのか?だれが嘘を言っているのか?どんどん藪の中の引きずり込まれ行くのだ。
そしてずっと付きまとっていたちょっとした違和感に気が付いた。久間の人となりは紹介していても、彼が獄中でなんと主張していたがほとんど出てこないことに。そして、被害者遺族の姿が一切ない。つまり、当事者といえる人の登場がなくて、事件の輪郭に存在する人たちだけでドキュメンタリは構成されていることに。ある意味で客観性を重視しているとも言えなくもないが、そこに「真実」にたどり着けないもどかしさの理由があるように思えた。

そもそも、「疑わしきは被告人の利益に、の基準に照らせば久間被告は無罪」。

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栗太郎

5.0なぜ急いで

2024年5月22日
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執行する必要があったのか🤔💭

私は近代文明(先進国文明?)以前の、人の裁かれ方による、犠牲者に対して無念と憤りと虚しさを覚えるからして、人並み以上の裕福贅沢にある種の虚しさを感じる人間だが、犠牲者の根絶を願うと同時に弱肉強食の根絶がイコールであるという大いなる力の前に、ただただひれ伏している状況である…

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ミスター

4.0色々考えさせられました。

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

それぞれの正義。「正義」などというのは歴史上目的のためにはいかなる行動も許されるとの正当化の弁明として使われてきた感じがします。
この映画の方たちはひたすら真実がどこにあるのかを解明したいと願ってるのみではと。
いづれにしても再審請求の行方がどうなるのか…複雑な思いです。

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けんやん

4.5事後的に検証することの大切さ

2024年5月11日
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鑑賞方法:映画館

1992年に福岡県で発生した女児2名に対する殺人事件の容疑者として、事件発生から2年後に逮捕された久間三千年元死刑囚は、終始犯行を否認していたものの、DNA鑑定の結果や目撃証言などにより死刑判決が下り、最終的に2006年に最高裁で死刑が確定、その2年後に異例の速さで刑が執行されました。本作は、30年以上前に発生したこの「飯塚事件」と呼ばれる事件に再びスポットを当て、当時事件を担当した福岡県警の刑事や、事件報道をリードした地元紙・西日本新聞の記者、そして被告人の久間を弁護した弁護士らへの取材を通じて、事件の真相や日本の司法制度、特に死刑制度について考えさせる極めて濃密なドキュメンタリー作品でした。

ポイントとなったのは、事件当時新時代の捜査方法として脚光を浴びつつあったDNA鑑定の信憑性でした。犯人の動機や犯行の手段と言った、通常の刑事裁判なら重要な論点となる点の解明がなされぬ中、容疑者逮捕の大きな決め手となったのは、MCT118法と呼ばれるDNA鑑定の結果でした。現に地裁から最高裁まで、このDNA鑑定の有効性などを認めて一貫して死刑判決を出した訳ですが、死刑執行された1年後の2009年に始められた再審請求では、驚くことにDNA鑑定の結果が否定されることになります。
再審請求を行った弁護側が、警察庁科学警察研究所が行ったDNA鑑定で使った写真を検証した結果、裁判資料として提出された写真が都合よく切り取られており、また補助点を書き入れていることで証拠能力を補強というか、”でっち上げ”を行っていることを解明し、裁判所もそれを認めることになりました。
普通なら再審請求が認められそうなところですが、現実は逆で、目撃証言や久間の自家用車のシートの繊維が、被害者の衣服に付着していた繊維と一致していたことなどを理由に、再審請求は悉く退けられる結果となってしまいました。因みに目撃証言に関しては、警察の誘導が疑われる経緯も判明しており、少なくとも本作を観た者としては、この裁判結果が極めて不当だったのではないかと感じることになりました。

実際の事件と創作をないまぜにして語る不謹慎を顧みずに言えば、本作で思い出したのは「落下の解剖学」でした。夫の死は妻による殺人だったのか、自殺だったのか、はたまた事故だったのか、真相は明確に解明されずにお話は終わりましたが、最終的に妻は無罪。同作を観て思ったことは、結局裁判と言うのは、事件の真実を神の如く完璧に解明するというよりは、証拠や証言にどれだけ真実相当性があるのかを争うゲームであると言うことでした。

本作で取り扱った「飯塚事件」にしても、久間が本当に真犯人なのか、別の真犯人がいるのかは、正直誰にも分かりません。分かっているのは、最高裁判決が確定し、それに基づいて死刑が執行されたことだけです。重要なのは、一人の人間の命を奪ってしまう死刑と言う刑を確定する最大の論拠となったDNA鑑定が、その後の再審請求では否定されたこと。勿論前述の通り、この鑑定結果がなくとも被告人が真犯人であるという結論は揺るがないというのが裁判所の決定な訳ですが、第三者的には全く釈然としない結果でした。

また、個人的に死刑制度にはどちらかと言えば賛成の立場でしたが、本作を観るとかなりその思いに疑問を持ったことも事実でした。勿論明々白々たる証拠がある凶悪犯を極刑にすべきだという思いも残るものの、技術的に完全に確立されたとは言えないような方法で鑑定された結果を論拠に死刑判決を出すというのは、どう考えても危険なように思えます。
なお、現在ではMCT118法によるDNA鑑定は行われていないそうです。

最後に作品としての総合的な感想ですが、まずは四半世紀も前の「飯塚事件」の自らの報道について、自ら検証を行って記事にした西日本新聞の英断に拍手を送りたいと思います。とかく事件発生時には多くのメディアが繰り返し繰り返し熱心に報道する事件も、年月とともに忘れられがちになります。勿論忘れてしまっても良い事件もあるでしょうが、この事件のように、司法制度とか死刑制度そのものに疑問を投げかけるような事件については、事件そのものやその報道を検証することが必要な場合もあるかと思います。これはメディアだけの問題ではないかも知れませんが、日本ではとかくこの検証作業が疎かにされがちで、そのために問題の本質的な解決が出来ないことが往々にしてあります。
昨今話題の自民党の裏金問題も、事件の解明がきちんとされぬままに政治資金規正法改正の話が先行しています。問題の検証もしないのに、法律を変えたって意味はない訳ですが、実際はそういう方向に進みつつあります。まあ裏金問題に関しては、メディアや野党が全容解明までしつこく粘り強く追及出来るかに掛かっており、またそうした姿勢を有権者が支持できるかにも掛かっている訳ですが・・・
いずれにしても、久間容疑者逮捕という方向を世論形成と言う点で補強する形となった西日本新聞が、自らの報道を顧みる行動を取ったのは、称賛すべきところだと思います。

また、当時の捜査関係者が取材に応じたことについても、一定の賛辞を送りたいと思います。題名にもあるように、彼らは警察官としての”正義”を追求した結果容疑者逮捕に至った訳です。しかしながら、再審請求においてDNA鑑定が裁判所からも否定されるなど、当時とは前提条件が異なる状況になってすら、きちんと取材対応したのは立派と言えると思います。惜しむらくは、DNA鑑定を行った科警研の関係者に対する取材結果がなかったこと。取材を申し込んだのか申し込んでいないのか、申し込んだけど断れられたのか、作品では触れられていなかったので実際のところは判然としませんでしたが、DNA鑑定こそが本件最大のポイントだっただけに、鑑定当事者の話は是非聞きたかったところでした。

2時間半を超える超大作でしたが、実に見ごたえのあるドキュメンタリーであり、そんな本作の評価は★4.5とします。

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鶏

4.0犠牲の想いを背負う正義と闇深い非を認めない権力

2024年5月11日
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鑑賞方法:映画館

2024年劇場鑑賞29本目 優秀作 72点

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サスペンス西島

4.0各々が正義を貫いた結果

2024年5月8日
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事件の細部って警察あまり公表しないので、おそらく他にもいろいろ事件の物証を把握しているんだろうとは思った 精神鑑定なんかもしてるだろうし...警察、検察、司法各方面これ以上やることはもう無いという結論なんだろう 出演してる元警察の人達も堂々としていて自信が有るようだった 例のカルト事件で狙撃された長官出て来てビビった どうやら映画を見ている側には先入観を与えない為か被疑者の人となりは全く有りませんでしたが、Wikiで調べると犯人に目星をつけられても無理は無いかなといった感じでした しかしDNA鑑定も万能では無いのですね 目撃証言ってアテにならないというのも聞いたことがあるので其の辺をハッキリさせて貰いたいと思いました ただ気になるのはその後同様の事件が起こっていないことと(保護者気をつけるようになったのかな?)冬の飯塚とか路面凍結しょっちゅうなので他所者の犯罪とは考えにくいのではないかと しかし見れば見る程分からなくなった
どうでもいいけどお膝元の飯塚の映画館で演ってないのはなぜ(?_?)

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ゆう

5.0飯塚事件

2024年5月6日
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鑑賞方法:映画館

構成が上手いなと思います。
ドキュメンタリーですが、下手なドラマよりよっぽど面白いですね。

裁判所はいつの時代も言葉足らずで不誠実
検察はいつの時代も悪を勝手に創りだす
メディアはいつの時代も権力の犬、言いなり
警察はいつの時代も思い込みでしか人を見ない

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ちゆう

4.5ジャーナリズムはまだ死んでなかった。(追記あり)

2024年5月1日
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鑑賞方法:映画館

(5/2 追記)
鑑賞後にユーチューブにあるこの事件の冤罪説を否定する動画をいくつか観た。
その動画内では、今回の映画では語られなかった出来事や解釈などを知ることが出来た。
冤罪かそうでないかを考えるには異なる意見双方に耳を傾けることが必要だと改めて思わされた。

(5/1)
コロナ騒動やワクチンの話題では、酷い偏向報道や言論統制に近い事が各報道機関で行われていて、(現在の日本のジャーナリズムは死んだな)と感じていたが、この映画では真実を追求し続ける記者達の姿が描かれていて、自分の仕事に対する矜持を捨てない男がまだまだ沢山いることを知って胸が熱くなった。

映画自体も丁寧に作られており、長編作品ながらも中だるみ無くハラハラドキドキして観れる内容であったのもよかった!

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はなてん

5.0マスメディアの真骨頂

2024年4月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

記録として一つの事柄をずっと捉え続けた結果・・・そしてそれがまだ続いて、いつの日かまた・・・
どんなに批判されようとも、これこそがマスメディアの真骨頂。あらゆる事柄において、絶対的な正義とか真実なんて存在しないということを、まざまざと見せつけられました。
結構長いんですが、これほどのボリュームと細かさだと、決して切り取りということではなくて、ホンネとホンネのぶつかり合いという要素がにじみ出ていて、報道とかジャーナリズムといった言葉一つでは処理しきれない深みを感じます。果たして自分の立場ではどうなんだろうと考えてみて、どこかに偏る気持ちはあるとはいえ、それぞれの主張にどこかしらに頷くところがあって、詳細に深く掘れば掘るほど難しさを感じてしまいます。

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SH

4.0どっちなんでしょう?

2024年4月28日
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鑑賞方法:映画館

30年前なんですね。

2次再審請求中、裁判になれば無罪かな?

妻と長男はつらいですね。

妻は元気そうで良かったです。

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完