若武者のレビュー・感想・評価
全5件を表示
時効警察
他人や社会に対して否定的になるパターンのカタログみたいで、いくつかは身に覚えがあったりする。
自我が脆弱過ぎるあまり他者に対して過剰に攻撃的になり、様々な情報の都合のいいところだけ繋ぎ合わせてその攻撃性を正当化する。あるいは出来るだけ少ない言葉で相手を排除しようとする。こういう若者の生態は、老喫茶店マスターにとって確かに「気持ち悪い」だろう。
なんとも重たい映画ではあるが、善意だの正義だのを介在させない割り切りが爽快ですらある。
その不穏さがリアル
居酒屋店員・英治( 高橋里恩さん )が、怒りに任せ延々と吐く言葉は、こちらの寛容さを試されているよう。
介護士・光則( 清水尚弥さん )が理路整然と紡ぐ言葉に、デリカシーは無い。
父親( 豊原功補さん )との折り合いが悪い渉( 坂東龍汰さん )が、父親と対峙する緊迫したシーンで、息を潜めてスクリーンを見つめていた。
映画「 福田村事件 」でもそうだったが、豊原功補さんの迫力ある演技に圧倒された。渉が『 僕は … 僕は … 』と声を絞り出すよう語る姿に胸が苦しくなった。
登場人物が皆、それぞれに強い怒りを孕んでおり、そんな彼らの姿が、昨今ニュースとなっている痛ましい事件と重なり、やるせない気持ちで劇場を後にした。
劇場での鑑賞
落武者
世の中に鬱憤を溜める3人組の幼馴染の若者の話。
町でみかけた人に当たり散らすかのように因縁をつける居酒屋店員のロン毛と、介護施設で働き大人しそうだけどたまに唾を吐くようなことを言う坊や、そして親父の存在を疎む口数の少ないイケメン君という3人組。
もう働いている歳なのにこじらせてますね。
公園で見た目と金のことしか言わないおばちゃんとのやり取りに始まって、ロン毛が合流するかれど、幼馴染とはいえ渉は何でこんなヤツと一緒に?
モンクたらたらいちゃもんつけて論破した気になっていたり、死んだ人間のことゴチャゴチャ言ったり、口だけなのはお前もだろな会話をテンポ悪くみせられて、この作品の落とし方って、ボコられるか捕まるか仲間割れかぐらいしかないんじゃね?なんて思っていたら、ホールインワンからのやっとの動き。
そしてまあこんなものだよね、な流れ。
イジメの原因が黒子だと思っている負け惜しみ遠吠えマウント兄さんとかも出てくるし、底辺で器の小さい人ばかりを集めて、見る人にマウントでも取らせる気ですかね…もっと残酷で良いのに物足りなかった。
全5件を表示