カンフー・マスター!

劇場公開日:

解説

娘の同級生と恋におちた40歳の女性の姿を描くラブ・ロマンス。監督・脚本は「歌う女、歌わない女」のアニエス・ヴァルダ、原作は主演のジェーン・バーキン、撮影はピエール・ローラン・シュニュー、美術はフィリップ・ベルナールが担当。出演はほかにマチュー・ドミ、シャルロット・ゲンズブールなど。

1987年製作/フランス
原題:Kung-fu Master!
配給:ユーロスペース
劇場公開日:1990年3月8日

ストーリー

雨の降る春の日、娘ルシー(シャルロット・ゲンズブール)のパーティで酔っぱらってしまった同級生の少年ジュリアン(マチュー・ドミ)を介抱したマリー・ジェーン(ジェーン・バーキン)は、25歳年下の彼に恋をしてしまう。偶然通学路でジュリアンに再会したマリー・ジェーンは、テレビゲーム“カンフー・マスター!”に夢中になっている彼に心魅かれるが、ジュリアンもマリー・ジェーンにほのかな想いを寄せていた。ジュリアンに電話で呼び出されたマリー・ジェーンは、そこがホテルだったので、二度と彼と会わないと決意するが、ジュリアンはルシーと親しくなり、ロンドンのマリー・ジェーンの実家でイースター休暇を過ごすことになる。しかしイースターの朝マリー・ジェーンとジュリアンの口づけの現場をルシーに目撃され、非難されたふたりは、ルシーの妹のルー(ルー・ドワイヨン)を連れて無人島を訪れることにする。しかしふたりの夢の時間も長くは続かなかった。旅が終るとジュリアンは家族に転校させられ、マリー・ジェーンと会うことを禁止させられる。彼への想いを断ち切ろうとマリー・ジェーンは苦しむが、ジュリアンは何事もなかったかのように思い出を友達に話すのだった。

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映画レビュー

4.5タイトルからは想像つかないきれいなおばさんと少年の純愛話

2020年6月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

萌える

ジェーン・バーキンがちょっとばかりおばさんになった頃に、アニエス・ヴァルダによって撮られた素敵な映画。ヴァルダはこの映画の制作に合わせて、バーキンの半生を描いたドキュメンタリー、「アニエス・vによるジェーン・b」も監督している。この映画には「カンフー・マスター」のメイキング映像や制作秘話もあり、ヴァルダいわく双子の映画とのこと。あわせて鑑賞されることをお勧めしたい。

バーキンは映画デビュー以来の未成熟なエロティックなイメージを残しつつ、二児の母となった大人の女性らしさも合わせ持った感じで描かれている。
ストーリーは、バーキン演じるマリー=ジェーンが、中学生の娘の同級生の少年に恋をするというというもの。スキャンダラスなテーマながら、それほどエロティックな感じのない純愛話。
タイトルのカンフー・マスターとは、少年が夢中になっているビデオゲームの名前から(名称は違うがファミコン世代には懐かしいスパルタンX)。このゲームの設定も巧みにストーリーに織り混ぜられている。
また、ちょうどAIDS(フランス語ではSIDA)の脅威が叫ばれた頃で、作中にも取り上げられたシーンがあり、その時代の雰囲気を感じさせてくれる。

娘役には、バーキンの本当の娘、シャルロット・ゲンズブールと、ルー・ドワイヨンが。また劇中、バーキンが故郷英国に帰省するシーンがあるのだが、そこでも実の両親や兄がそのままの役で登場する。また彼女と恋に落ちる少年役は監督ヴァルダの息子マチュ・ドゥミが演じているということで、家族的なリラックスした雰囲気の中で撮影されたようである。ただそれほど演技に素人くささは感じられないので、芸達者な家系なんだろうか。

今のバーキンの印象はこの頃とあまり変わっていない気がする。永遠にちょっとHな雰囲気のある、きれいなおばさんのままである。

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志塚直人
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