劇場公開日 2024年5月17日

「これで97分。さすが職人監督リチャード・フライシャー。最近のやたら長い映画と違って娯楽映画の作り方を分かってらっしゃる。60年代末期~70年代半ばにこういうディストビア映画が沢山作られてましたね。」ソイレント・グリーン もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5これで97分。さすが職人監督リチャード・フライシャー。最近のやたら長い映画と違って娯楽映画の作り方を分かってらっしゃる。60年代末期~70年代半ばにこういうディストビア映画が沢山作られてましたね。

2024年5月18日
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鑑賞方法:映画館

①自分が映画を見始めた頃に話題作として公開されながら観れなかった映画を、半世紀を経て大スクリーンで観れる、というのも中々オツなものです。

②本作は、先ずは名優エドワード・G・ロビンソンの遺作として記憶に残るべきでしょうね。
ソルが“ホーム”で息を引き取るシーンは何故かウルッと来てしまった。最後まで名優さんでした。
それに或る意味『PLAN75』を先取りしている設定。

③地球温暖化・人口爆発・貧富格差拡大・食料難等々、確かに未来を予言した映画(舞台となった2022年ではもはや未来の話ではなく現実の問題になってます)では有るけれども、その先見性の秀逸さは原作の小説に軍配が上がるもの。
私には特に本作で描かれる富裕層が現在の先進国に相当し、貧困層が発展途上国を表しているように映って仕方がなく、そこに先見性を見いだしました。

④肝心要のソイレントグリーン製造工場のセキュリティの甘さは、こういう娯楽映画ではお約束。

⑤若い女性の描き方は、現代では噴飯物ですが、70年代当時は仕方なかったとしてご容赦を。
映画女優としては早くに消えてしまったけれども、リー・テイラー・ヤングも若くてキレイ。

⑥70年代半ば迄のSF映画とかディザスター映画の大作の主人公と言えばチャールストン・ヘストンと決まっていたようなものなので仕方ないが、今観るとミスキャストだと思う。
ふてぶてしいがナイーブさもある、もう少し若い役者の方が良かっただろう。その方が自然が溢れていた昔を知らないというキャラクターに合っていただろうし、リー・テイラー・ヤングとのラヴシーンも違和感がなかっただろう。
腹の肉が弛みだしたヘストンでは様にならない(腹の肉が弛みだしたということでは私も偉そうなことは言えないが…)

もーさん