ペーア・ギント

解説

「ヴァリエテ(1936)」「国際間諜団」のハンス・アルバースが主演し、「黒鯨亭」のフリッツ・ヴェンドハウゼンが監督した映画で、ヘンリック・イブセンの同名の戯曲に取材したものである。脚本はヨゼフ・シュトルツィヒ・ツェルニー、リヒャルト・ビリンガー、フリッツ・レック・マレツェヴェンの三氏が協力して作成、撮影は「会議は踊る」のカール・ホフマン指導の下にアドルフ・エセックが当たった。助演者はドイツの古参の名女優ルツィー・ヘンフリヒ、マリールイゼ・クラウディウス、「国際間諜団」のオルガ・チェホーワ、エレン・フランク、ツェラー・アクメッド、「トンネル」「怪人マブゼ博士(1932)」のオットー・ヴェルニッケ、等である。音楽はグリークのモティーフを使用しジュゼッペ・ベッチェが指揮に当たった。

1934年製作/ドイツ
原題:Peer Gynt

ストーリー

ノルウェイの或る村に生まれたペーア・ギントは父の死後、母のオーゼと二人で暮らしていた。彼は立派な腕があったが夢想家で遠い南の国にあこがれ、家の仕事など何一つしない。そして村人からは軽蔑されていた。地主の娘イングリドは彼を慕ったが、ペーア・ギントが相手にしないので金持ちのマーツ・モーンと婚約する。その婚約披露の宴、気まぐれなペーア・ギントは祝宴に来て、イングリドの恋をしりぞけ席に来た新移住農民の娘ソルヴェークに心惹かれる。彼は家に帰ると母親のオーゼの死に会う。彼は訪ねて来たソルヴェークを待たせたまま、小屋を出て行く。彼は若い男爵未亡人アガとパーカーとの怪しい事業に雇われ、潜水業で会社を儲けさせ、看板だけの社長に祭り上げられる。だが彼等の不正を知り絶縁するが、今度はアメリカ銅トラストのキンスレーがジプシー娘タチャナを歌姫として彼を利用しようとする。ペーア・ギントはアフリカ銅山その他へ事業の手を伸ばすが、回教徒の外国人排斥から銅山に支障が来る。そこで彼はタチャナを棄てアフリカに渡り、土地の女アニトラに遭う。産業を興し都市を建設した功により彼は総督にされるが栄誉を辞退し、会社を社員の共有物にやってしまう。それから彼は砂漠で追い剥ぎに襲われたり、船で難航したりして、身も心も疲れ果てて故国に戻って来た。だが、彼の小屋にはソルヴェークが彼を待っていた。ペーア・ギントは、ここで始めて彼が世界中を探し廻っても発見出来なかった幸福を見い出した。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く