警視庁物語 逃亡五分前

劇場公開日:

解説

「誘拐魔」の長谷川公之のシナリオを「拳銃対拳銃」のコンビ、小沢茂弘が監督し星島一郎が撮影を担当した。主なる出演者は「拳銃対拳銃」の伊藤久哉、「黒田騒動」の南原伸二、「晴姿一番纏纒」の星美智子、「赤穂浪士」の堀雄二など。なおシナリオを書いた長谷川公之は現職の警視庁鑑識課員である。

1956年製作/60分/日本
劇場公開日:1956年2月18日

ストーリー

深夜の深川でタクシー強盗殺人事件が起った。巧妙な手口から犯人を常習犯と睨んだ警視庁捜査一課の長田、宮川の両刑事は、遺留品を手掛りに柳橋に飛び、農林省官吏須見に嫌疑がかかるが、彼の情婦由美の言葉から、白マスク、革ジャンパーの男が犯人と推定されるに至った。だが、この事件が解決を見ないうちに、続いて新橋で同一手口による新事件が発生し、今度は運転手の屍体が見つからなかった。全力をあげて捜査中、東京駅の某理髪店からの電話で、血痕の附着したワイシャツを着ている客が来ていると報告があり、宮川刑事が尾行すると駅前のホテル・トウキョウに消えた。宮川は電話交換室に飛び込んで男の外部連絡を内偵した結果、男が万年筆の紛失を気にしていること、浅草のつやという女に何か届けようとしていることを突きとめた。その頃、練馬で新橋事件の被害者の屍体が発見され、宮川の報告でホテル・トウキョウ止宿の男こそ犯人にちがいないと、長田刑事が応援に駈けつけたとき、すでに男は窓から逃走したあとであった。そんな矢先、コルト銃の不法所持で淀橋署が一人のチンピラを逮捕したと聞き、捜査課では吉岡刑事を同署に送ったが、その男黒岩千造は妻のととのえた保釈金で釈放されていた。黒岩の妻は宮川も尋ねている浅草の古本露天商のつやだった。万年筆の出所を洗った捜査課では万年筆を紛失した外国人ヒルマンの証言で、黒岩を手下に使う白マスクの小磯が犯人だという確証をあげることができた。ヒルマンからローヤル拳銃を奪おうとし、その事件から警察に挙げられた黒岩の保釈金を作るため、小磯は自動強盗を行ったのである。まもなく木場の暗黒で拳銃戦の末、小磯と黒岩は刑事たちに捕えられた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0刑事ドラマの原点ここにあり

2023年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

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しゅうへい

3.0「やっぱり逃したことを報告すべきでしょうね」という台詞のリアリティ...

2022年2月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「やっぱり逃したことを報告すべきでしょうね」という台詞のリアリティーがとても良い。

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Mr. Planty

4.0刑事ドラマの原点

2019年5月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1956年(昭和31年)公開の東映作品。その後24本の人気シリーズとなる第1作。映画評論家の木全公彦によると、セミドキュ・スタイルのJフィルム・ノワール。つまり事実を積み上げて、リアリズムにストーリーを展開。

実際にあったタクシー強盗事件を題材に、刑事、鑑識等がコツコツと捜査を進め犯人を追い詰めて行く。
その手法は今観ても違和感が無い。死因、死亡推定時刻、拳銃の割り出し、遺留品の裏付け等。
これは脚本の長谷川公之が、現職の警視庁鑑識課の法医技師という特殊な立場であったことによると思われる。

当時の懐かしい車や東京の新橋、浅草、東京駅等が見られるのも貴重。

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Mrs.フロイ
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