歌へ!太陽(1945)

劇場公開日:

解説

「南海の花束」に次ぐ阿部豊演出の音楽映画。

1945年製作/51分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1945年11月22日

ストーリー

「微笑少女」それがこの劇場の歌手、梢の愛称であった。梢はいつも明るい微笑に包まれていた。彼女に接する人達は誰でも知らず知らず幸福な気持ちになってしまうが、それでいて梢自身は自分の存在がそんな効果を周囲の人達に与えていることには少しも気がつかない。その無邪気さが、梢をますます一座の人気者としていた。舞台でもその微笑に乗る美しい歌が、観客の拍手を巻き起こしていた。一座の男性歌手の幸雄は梢の愛人であった。二人の仲も梢の無邪気な微笑のために少しの暗さもない--まるで少年少女の間のような愛情であった。だから一座の人達が少しも二人のことに気がつかず矢張り陽気な歌手の浩一が梢に思いを寄せて悩むのも無理からぬ次第であった。浩一の父の直吉は同じ劇場の大道具方でこの父子の仲の睦まじいこと、傍の目も羨ましい限りだった。直吉と一緒の部屋にいる掃除婦のおまつ婆さんはそれに刺戟されて「今は遠くにいて会えないが私にも親孝行の息子がいる。いつも手紙や品物を送って寄越すのさ」と自慢を始めた。まつには以前口の不自由な息子があったのだが、今は亡くなって彼女の涙の種になっていた。この自慢話を誰よりも一番親身になって聞いてやったのは梢である。梢はまつの愛情が理解できる優しい気持ちをもっいていた。直吉がまつの息子のことは嘘だと言い始めた時、梢は兄の修吉に頼んで、臨時にまつの息子になって貰いまつの窮地を救ってやった。しかし兄の修吉と梢が一緒にいるところを目撃した浩一は誤解から梢から去ろうとした。直吉は修吉が偽息子だという事を見破った。まつの傷心を見ると梢の心は暗かった。が、梢は矢張りその「微笑少女」らしいやり方ですべての誤解を解いたのである。

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