牛久

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牛久

解説

茨城県牛久市にある東日本入国管理センターに収容された人々の証言を通し、日本の入管収容所の実態を捉えたドキュメンタリー。在留資格がない人や更新が認められず国外退去を命じられた外国人を「不法滞在者」として強制的に収容するため、全国に17カ所設けられている入国管理施設。そのひとつである東日本入国管理センターには、紛争などにより出身国に帰ることができず難民申請をしている人も多いが、彼らの声が施設の外に届けられる機会はほとんどない。日本でドキュメンタリー作品を撮り続けてきたアメリカ出身のトーマス・アッシュ監督が、施設の厳しい規制をくぐり抜け、当事者たちの了解を得て、面会室で驚きの実情を訴える9人の証言を隠し撮りの手法を用いて記録。長期の強制収容や非人間的な扱いで精神や肉体を蝕まれ、日本という国への信頼や希望を失っていく人々の姿を映し出す。

2021年製作/87分/G/日本
配給:太秦
劇場公開日:2022年2月26日

スタッフ・キャスト

監督
撮影
トーマス・アッシュ
編集
トーマス・アッシュ
カラーグレーディング
シン・ヘマント
オンラインエディター
シン・ヘマント
作曲
寂空
演奏
寂空
こみてつ
タイトルデザイン
丸古実
山村ジェレミー
インパクトプロデューサー
ンデブ・ダニエル
ディストリビューションプロデューサー
松井至
リサーチプロデューサー
クレーン・ジョン
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(C)Thomas Ash 2021

映画レビュー

5.0これが現実の姿。日本に住む人は皆知る必要があるのでは?

2022年7月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

隠しカメラで撮影された様子と、収容されている人からかかった電話の声と、収容所の中で公式に撮影されているカメラの映像と、空港で制圧される様子をコマ送りの写真にしたものとが組み込まれて、誰が本当のことを言っているのか、誰が権力を笠にきて非人間的な行動をとっているのか、説明がなくても感覚で気がつく。
こういう映像こそ、公的に報道して国民全体で共有するべきこと。
外国人の犯罪をことさら報道して、外国人は危険、入国させるなという世論を作ろうとするマスコミも、なんらかの政府の意向を汲んでいるからこそだろうと、この映画を見て思った。
甘ちゃんの意見かもしれないが、私の知る限り外国人は恐ろしくもなく、言葉や生活習慣が違うだけの、同じ喜び悲しみ痛み苦しみを知る人だった。
祖国に居られればどれほどよかったろう。だがそれが命の危機や人としての尊厳が踏みにじられる場所になってしまったから、こうして日本にまで来ざるを得なかった。日本はおもてなしの国と聞いてたのに、こんな目に遭うなんてと彼らの絶望した暗い眼差しが訴えている。

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たいち

4.0祖国へ帰らないのではなく帰れない人たち

2022年7月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

茨城県牛久市にある東日本入国管理センターに収容された人々の証言を通し、日本の入管収容所の実態を捉えたドキュメンタリー。
紛争などにより祖国へ帰ることができず難民申請をしている人も多いが、その声が施設の外に伝わる機会はほとんどなかった。トーマス監督が、施設の規制をくぐり抜け、当事者たちの了解を得て、面会室で9人の証言を隠し撮で記録したものがメイン。長期の強制収容や非人間的な扱いで精神や肉体を蝕まれ、日本という国への信頼や希望を失っていく人々の姿を映している。

入管の理不尽さは、東京クルド、マイスモールランド、いろいろ観てきたが、これも酷い不都合な真実だと思った。
隠し撮りの手法については是非が問われるかも知れないが、ではなぜ撮影がいけないのか、罪人でも無いのに刑務所並みの施設に収容されなくてはいけないのか、自分が逆の立場になって考える努力をするべきで、上から目線の入管は要らないとさえ思った。
石川大我参議院議員が予算委員会で質問したのは一歩前進かも。
とにかく「おもてなし国」にしてもらいたいし、なって欲しい。

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りあの

4.5日本はこんなに酷いことを…

2022年5月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

日本の難民認定法律自体崩壊している。ここは戦前か?と思わせる刑務官の行為に、怒りすら覚えた。
愛国心なんて生まれてこない…。日本では。そんな1作品です。

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共感した! 2件)
ろくさん

5.0いま、劇場に足を運んで観るべき作品。見逃さないで。

2022年4月4日
Androidアプリから投稿

圧倒的に「ちゃんと」つくれば、記録すれば、そしてその時に対応していれば、歪んだ国や教養の無い権力は何も言えない。陰でコソコソするだけだ。そこに反知性が吠える余地は無い。歴史を改変しようとするような異常な動きも抑えこめる(はずだ)。

この映画を観てあらためて感じるのは、やはり暴力や差別や戦争に立ち向かえるのは、知性と芸術、つまり頭と心なのだなという気持ち。冷たい雨の降り続くなか、終映後にトーマス・アッシュ監督と少しだけ立ち話をする機会を得たが、この映画がもっと大きな映画館で上映されもっとロングランし、ひろく宣伝され後には無料で配信され、そしてちゃんと作家にもクルーにも配給にもきちんと儲けが出るような世の中になってほしいと強く思った。

「隠し撮り」という手法が妙に取り上げられるが、これは覗き見をしたり犯罪まがいの行為をしているわけではまったくない。知ってしまった暴力に、気づいてしまった理不尽さに、人間が立ち向かうための力強い一歩なのだと思う。観客や批評家やジャーナリズムがこれを応援しなくてどうする。この映画は、怒りや勢い(だけで)つくられたドキュメンタリーではない。構成も編集も秀逸な、これは力強い「作品」だと思う。必見。

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だい茶