バティモン5 望まれざる者

劇場公開日:

バティモン5 望まれざる者

解説

パリ郊外で移民家族が多く暮らす地区を一掃しようとする行政と住民たちの衝突を緊迫感たっぷりに描き、大都会パリの知られざる暗部を浮き彫りにした社会派ドラマ。

労働者階級の移民の人々が多く暮らすパリ郊外の一画・通称「バティモン5」では、再開発のため、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。そんな中、前任者の急逝により臨時市長に就任したピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策を強行することに。住民たちはその横暴なやり方に猛反発し、ケアスタッフとして移民たちに寄り添ってきたアビーらを中心とする住民側と、市長を中心とする行政側が、ある事件をきっかけについに衝突。やがて激しい抗争へと発展していく。

監督・脚本は、同じくパリ郊外が抱える問題を描いた2019年製作のフランス映画「レ・ミゼラブル」で高く評価されたラジ・リ。

2023年製作/105分/G/フランス・ベルギー合作
原題:Batiment 5
配給:STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2024年5月24日

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(C)SRAB FILMS - LYLY FILMS - FRANCE 2 CINEMA - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE – 2023

映画レビュー

5.0試写会に当選して、一足先に観られました。 パリ市内の、移民ばかりが...

2024年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

幸せ

試写会に当選して、一足先に観られました。

パリ市内の、移民ばかりが住む団地。
ろくにメンテもされてない建物、エレベーターは故障中のまま放置、
個人宅で不法営業の食堂とか、ボヤ騒ぎなども時折。

一方で、市長に着任したばかりのお方。
前任者が急逝してしまい、選挙もなく、突如着任させられたとか。
実績を上げようと躍起な様子。

些細な騒動が起こる都度、市長が頑なに懲罰や排除に動き出て。
出来事が、積もり積もるうちに、徐々に衝突が激化してゆく様子。
ただのタムロを検知→集会や注意→暴動や強制排除…。

敵対の構造が作られますが、誰も、一方的な善人 or 一方的な悪人
にはあたらないように見えました。
各人の言い分にも、見かた次第で、一理あるとも思えたり、
さすがにやりすぎ? とも思えたり。

見慣れた種類のフランス映画とはまるで違って、
先入観がなくなりそうな印象です、

劇中の冒頭に用いられた歌は、
Fatoumata Diawara さん (女性歌手, マリ出身, フランス在住)
の声だと、すぐに気が付き。
物語上の移民さんらの矜持を、感じずには居られず。
また観て聴きたくもなっています。

映像上で特筆すべきは、団地の映し方。
各々の世帯ごとには、そう広くもない区画ごとに押し込められて。
建物全体を見せるときは、立体的、斜め上、外から俯瞰的に、
地域の象徴のような (良くも悪くも)。ドローン撮影などでしょうか?
個別の狭さと、全体との対比、見入ってしまう凄みがありました。

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woodstock

4.0移民について考えされられる

2024年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

難しい

日本では馴染みが薄い移民。パリでこんな事が起きているなんて!解決が難しい問題だが、観るべき作品。

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ちーきー

4.0パリの知られざる“暗部”

2024年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

パリ郊外が抱える問題を描いた2019年製作のフランス映画「レ・ミゼラブル」で高く評価されたラジ・リ監督の最新作は、同様にパリ郊外で移民家族が多く暮らす地区を一掃しようとする行政と住民たちの衝突を緊迫感一杯に描かれる。
労働者階級の移民の人々が多く暮らすパリ郊外の一画・通称「バティモン5」では、再開発の為に老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められている。
そんな中、前任者の急逝により臨時市長に就任したピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策を強行する。
住民たちはその横暴なやり方に猛反発し、ケアスタッフとして移民たちに寄り添ってきたアビーらを中心とする住民側と、市長を中心とする行政側が、或る事件を切っ掛けに遂に衝突し、やがて激しい抗争へと発展していってしまう。
前作「レ・ミゼラブル」では、パリ郊外の犯罪多発地区モンフェルメイユを舞台に、そのエリアを取り締まる犯罪防止班と少年たちの対立を、緊張感溢れるリアルなストーリーで描いたいたが、本作では、バティモン5の一掃を目論む「行政」とそれに反発する「住人」による“排除”と“怒り”の衝突により、恐れと不満の積み重ねが徐々に両者間の溝を深くし、憎しみのボルテージが加速していく様が怒涛の如く展開する。
そのスリリングなストーリーからは、パリの知られざる“暗部”が浮き彫りにされる。

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玉川上水の亀

4.0未だ大きく横たわる

2024年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

映画.com試写会鑑賞
「レ・ミゼラブル」と同じく、パリの郊外が抱えた問題を描いた作品。
長編ながらも105分というコンパクトな尺で、この重さはすごい。
とにかく残ります。
移民問題から人種・宗教差別を絡めた、行政と住民との戦いと言っていいのでしょう。
行政側の意図もちゃんとわかり、一方的な悪意だけで無いとはわかるものの、それはあまりにも横暴。
理解し合えない行動は遺恨となり、恨みから暴力へと変わっていく。
その連鎖の先にある、奪われた者と奪った者にもある喪失も描かれていました。
そのラストのカットも強烈で、バティモン5を舐めるようなカメラから俯瞰へと変わる。
この問題は未だ大きく横たわりそこにあると、観客に突きつけるようでした。

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白波

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